ASPIRATION代表のひとり言

2019/01/12

第12回 | 企業様向け:日本人現地採用活動は点か線か

こんにちわ。いつもベトナム転職・採用のことばかり考えている福田です。このひとり言では、私自身が経験したベトナム転職・採用活動を通じて思っていることをお届けします。私個人の主観が強いので、異論・反論も喜んで受付けています。それでは、第12回ひとり言をよろしくお願いします。

前回(第11回)のひとり言は、こちら

日本人現地採用活動は点(短期)になりがち

今回のメインタイトルは、企業様向けに「日本人現地採用活動は点か線か」としました。まずは、今回の「点」と「線」の言葉の意味を、採用活動に当てはめて定義しましょう。

点(短期)
 日本人がどうしても必要な状態になってから採用活動を行い、日本人が採用出来たら終了

線(長期)
 日本人が必要となる前(常日頃から)採用活動を行い、日本人を採用した後も採用活動を続けている

ベトナムにおける多くの企業様が、日本人現地採用活動は「点(短期)」の採用活動となっているのではないでしょうか。実際に私も前職の日本人採用活動時はそうでした。

一方でベトナム人の採用活動は、毎日365日行っていました。それは、会社の社員構成においてベトナム人が多い、採用しても(様々な理由により)退職が早い人が多い、会社規模拡大時であった兎に角ベトナム人が必要など複数の理由がありました。理由はこれら以外にもあると思いますが、多くの企業様がベトナム人採用は通年で行われているかと思います。

では、なぜ日本人現地採用活動が「点(短期)」になりがちなのでしょうか。これも理由は複数あると思いますが、私は以下の2つの理由が主要因かと考えています。

 ・日本人現地採用はベトナム人採用と比べて、発生する頻度・数が少ない
 ・会社に人事部はあるが、日本人採用チームがない

こちらの2つには相関関係があります。日本人現地採用はベトナム人採用と比べて、発生する頻度・数は少なく、既に日本人現地採用をされている企業様でも、ここ数年は日本人現地採用活動をされていない企業様もいらっしゃるのではないでしょうか。

つまり、1年に1回あるかないかのイベントに対して、会社の人事部の中に日本人採用チームを設置する必要性がないため、日本人現地採用を必要とする多くの日系企業様に、日本人採用チームがないと推測しています。必要がないため、日本時採用チームを設置する理由、人員、お金をかける意味がないという感じではないでしょうか。

そのため多くの企業様が、日本人がどうしても必要な状態になってから日本人現地採用活動を始め、採用をすれば採用活動は終了されているのではないでしょうか。実際に私の日本人現地採用活動はそうでした。

企業様の日本人現地採用活動は点(短期)になりがち

企業様の日本人現地採用活動は点(短期)になりがち

ここでお伝えしたいのは、在ベトナムの企業様の人事部内に日本人採用チームの有無が良い悪いではなく、ベトナムでの日本人現地採用活動は「点(短期)」になりがちな現状であり、その要因があるということです。

日本人転職者様の転職活動は線(長期)が一般的

では、企業様の採用活動において相手方となる日本人転職者様の転職活動は点(短期)でしょうか?それとも線(長期)でしょうか?

それを考える上で、一つ考えたい例があります。あなたは仲の良いご友人から、「俺(わたし)、今の会社が合わないから、今月末で退職しようと思っている。次の転職先決まっていないけど。」とご相談を受けたとします。

ご友人の方の今お勤めの会社・業務が合わない理由と状況によりますが、ご友人の方がまだ我慢できるようであれば、多くの方は、「次の転職先が決まって(内定が取れて)から、退職した方が良いと思うよ。」とアドバイスされるのではないでしょうか。

このようなアドバイスをする理由は、そのご友人の方の経済的な安定性が崩れることを心配されてからだと思います。退職しても次の転職先が決まっていなければ、無職期間が続き給与収入がないため、その方の経済的な安定性は崩れます。そうなると、その不安から転職活動の企業選びにも焦りが生じ、充分に判断をしないまま転職活動をしてしまう恐れがあります。つまり、自分が逆の立場(ご友人の立場)であったら、現職中に転職活動をして、内定を取得してから退職されるイメージではないでしょうか。

実際に転職活動された多くの方も、経済的な安定性が崩れること、またそれにより余裕のある転職活動が出来ないことを踏まえて、次の転職先が決まって(内定が取れて)から退職をされたのではないでしょうか。今お勤めの会社で働くことがまだ我慢できるようであれば、その会社で働きながら転職活動を行うのが一般的ではないかと思います。

また、既に採用業務経験者の方は、選考に受けに来る転職者の方が既に前職を退職されている場合は、なぜ先に退職をされたのか理由を聞くことが多いかと思います。そしてその理由が合理的でなければ、その転職者の方の転職活動に計画性がないのではと疑問を感じるのではないでしょうか。

上記を踏まえて、日本人転職者様の(ベトナム転職含めて)転職活動をSTEPに分けてフローで考えると、以下のようになるのではないでしょうか。

STEP 0
 現職: <現職中>会社・業務が楽しくて大好き
 転職活動: 何もしていないし、しようとも思っていない

STEP 1
 現職: <現職中>会社・業務と合わない点を感じ、このまま働き続けていいのかと思い始める
 転職活動: まだ何もしていないが、転職を意識し始める

STEP 2
 現職: <現職中>気持ちが乗らないせいか、会社・業務が楽しくない
 転職活動: 人材会社への登録をしたり、インターネットで転職情報を集めたりする

STEP 3
 現職: <現職中>いつ退職をするか、退職時期を考え始める
 転職活動: 書類・面接選考を受けるなど、本格的な転職活動を行っている

STEP 4
 現職: <現職中>転職先の入社時期に合わせて、退職届を出す
 転職活動: 新しい会社より内定取得し、入社時期の調整を行う

STEP 5
 現職: 退職
 転職活動: 新しい会社(転職先)に入社

日本人転職者様の転職活動は線(長期)が一般的

日本人転職者様の転職活動は線(長期)が一般的

つまり、現職を退職されてから転職活動を始めるのではなく、現職中のSTEP 2の段階から、時間をかけて転職活動を行っているということです。時間をかけている、つまり転職活動は「線(長期)」で行っていると考えることが出来ます。特に、STEP 2の段階は転職への意思が固まるまでとなりますので、転職者様によっては長い期間となる可能性があります。

採用活動と転職活動にはズレが生じている

今回は、企業様の日本人現地採用活動と日本人転職者様の転職活動を見ました。採用活動は点(短期)であることに対して転職活動は線(長期)であり、採用活動と転職活動にはズレが生じていることが分かりました。

実は、企業様と転職者様のズレ自体は以前から存在しており、それで問題なく成り立っていた時代があったのではないかと私は考えています。それは現在のように、終身雇用、すぐに退職しない(転職への心理的ハードルが高かった)、企業と人がダイレクトにコミュニケーションを取る方法がなかったなく、その上で人材紹介会社様が採用企業様と転職者様の間に立ち、そのズレを調整していたのではないかと思います。

しかし時代は変わり、終身雇用は崩れ、人々の転職への心理的ハードルは下がり、SNSの発達により企業と人がダイレクトにコミュニケーションが取れる時代になりました。

次回は、企業様の日本人現地採用活動と日本人転職者様の転職活動にズレが生じていることの問題点を見ます。その後、この変化した時代において、企業様はどのような採用活動であるべきかを考えていきたいと思います。

 

次回(第13回)のひとり言は、こちら

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