ASPIRATION代表のひとり言

2019/01/13

第13回 | 企業様向け:日本人現地採用活動と転職活動のズレの問題

こんにちわ。いつもベトナム転職・採用のことばかり考えている福田です。このひとり言では、私自身が経験したベトナム転職・採用活動を通じて思っていることをお届けします。私個人の主観が強いので、異論・反論も喜んで受付けています。それでは、第13回ひとり言をよろしくお願いします。

前回(第12回)のひとり言は、こちら

日本人現地採用活動と転職活動にズレが生じていることは問題なのか

前回(第12回)は、企業様の日本人現地採用活動と転職者様の転職活動にズレが生じていることを説明しました。今回は、ズレが生じていることがなぜ問題なのかを見ていきたいと思います。

前回(第12回)のひとり言で、企業様の採用活動は「点(短期)」と言いました。つまり、日本人がどうしても必要な状態になってから採用活動を行い、日本人が採用出来たら採用活動は終了です。その理由もご説明しました。

一方で、転職者様の転職職活動は、働いている方であれば、現職中から転職活動(人材会社への登録、インターネットで情報収集など)を行い始め、現職の状況を見ながら調整を行い、時間をかけて転職活動をしています。企業様の採用活動を「点(短期)」とした場合、転職者様の転職活動は「線(長期)」と言えます。

採用活動と転職活動を時系列に並べ、企業様の視点で見ると、以下の様になります。
転職者様は3名(Aさん、Bさん、Cさん)を用意しました。

企業様は、ベトナム転職者Cさんしか接点が持てない

企業様は、ベトナム転職者Cさんしか接点が持てない

 

図で見ると、企業様は、“たまたま”タイミングが合った転職者Cさんとしか接点が持てません。転職者Aさんは、既に転職活動が終わっているので接点を持つことは出来ませんが、転職者Bさんはタイミング的にはギリギリですが、内定を取得した後ですので、他の企業の選考を受ける可能性は高くはなく、企業様と接点を持てるかは微妙です。

もしここで、企業様が採用活動をもう少し始めていれば、転職者Bさんと接点を持つことが出来、Bさんが企業様の選考を受けてくれたかもしれません。その転職者Bさんが経験・能力・意欲などが企業様とマッチしていたらどうでしょうか。そして転職者Bさんは、今働いている(現職中)の会社とは特に悪い関係ではなく、退職日も伝えておらず、退職日が1~2ヶ月調整出来る方でしたらどうでしょうか。

話を戻して、逆に、転職者様の視点で、採用企業様が3社(X社、Y社、Z社)あった場合も見てみましょう。

ベトナム転職者様は、企業様Y社しか接点が持てない

ベトナム転職者様は、企業様Y社しか接点が持てない

 

転職者様の場合を見ると、“たまたま”タイミングが合ったY社しか接点が持てません。既に採用活動が終了したX社とは接点が持てず、X社の選考を受けることは出来ません。内定を取得した後も、積極的に転職活動を行っていなければ、人材紹介会社様からも企業の紹介は来ないため、Z社と接点を持つことはなく、Z社の選考を受けることは出来ません。

ここでZ社が採用活動をもう少し始めていれば、転職者様と接点を持つことが出来、転職者様が内定を取得した後でも、内定を承諾する前であれば、Z社の選考を受けてくれたかもしれません。

ここで言いたいのは、「たられば」の話ではありません。現状の採用・転職活動は、『運やタイミング』が非常に大きな影響を与えている状態であることです。そして採用企業様の視点では、日本でさえ人手不足と言われている中で、“たまたま”タイミングが合った転職者様群の中から、経験・能力・意欲などがマッチした転職者様を採用しないといけない厳しい状況で、日本人現地採用活動を行わなければならないということです。

もちろん、採用・転職活動において、『運やタイミング』を完全に排除することは難しいと思います。しかし、企業様の採用活動において、人材紹介会社様を利用すれば60~100万円、それ以上の成果報酬が発生します。日本人を雇用すれば恐らく年間300~400万円は人件費となるはずです。それを『運やタイミングだから仕方ない』では済まない話かと思います。

人材紹介会社様の利用で『運やタイミング』の要素を減らせるのか

実際の採用・転職活動には、人材紹介会社様というプレイヤーもいます。人材紹介会社様のビジネスモデルは成果報酬型ですので、採用(転職者様が紹介企業に入社)してはじめて売上が立ちます。そのため、採用(転職者様が紹介企業に入社)が決まらないといけない(会社経営のためには決めなくてはいけない)ビジネスモデルです。

成果報酬型は、顧客(採用企業様)にとっては、成果が出る(転職者様が入社する)までは無料ですので、ビジネスモデルとしては非常に理にかなっていると思います。そのため、人材業界だけではなく、不動産業界など多くの業界で成果報酬型のビジネスモデルを採用しています。

話をベトナムにおける日本人採用・転職に戻します。現在、日本では人手不足が叫ばれています。となれば、自然と海外・ベトナムで働きたいという日本人の数も多くはないと考える方が自然でしょう。そうなると、乱立していると言われるベトナムの人材会社(弊社もその1社です)は、転職者様の確保に必死です。運良く転職者様が登録をしてくれればラッキーです。そして人材紹介会社様は、何としてもその方の転職を成立させなくてはなりません。そうしないと、成果報酬型につき売上が上がらず、会社の存続に影響するからです。

そのため人材紹介会社様は、「今まさに採用活動中」の企業様を転職者様に紹介します。それで転職者様がベトナム転職の意思を固め、選考を受けて内定を取得し、入社となれば売上が立つからです。
「今後採用活動をする予定」の企業様に対しては、今どれだけその企業様のために頑張っても採用・入社のタイミングが先なので、目先の売上を追いかけるならば、当然、転職者様に紹介される優先度は低くなります。

私は、「成果報酬型のビジネスモデルが悪い。」と言いたいわけではありません。企業様にとって成果報酬型は、成果が出る(転職者様が入社する)までは無料というメリットがあります。
それとは別に、採用・転職活動における『運やタイミング』の影響は、人材紹介会社様を利用しても大きく変わることはない。それは、成果報酬型のビジネスモデルだからということです。

ズレが生じているから、採用活動は『運やタイミング』の影響を受ける

今回のまとめに入ります。日本人現地採用活動と転職活動にズレが生じているから、採用・転職活動は『運やタイミング』の影響を大きく受けている。そしてそれは人材紹介会社様を利用しても、『運やタイミング』の影響は変わらないことが分かりました。

採用企業様におかれましては、日本人、ベトナム人関わらず、人の採用は大きな投資となるため、『運やタイミング』の影響は極力減らしていきたいことかと思います。

では、採用企業様はどうすれば『運やタイミング』の影響を少なくすることができるのでしょうか。次回は、採用企業様が取り組める『運やタイミング』の影響を減らす方法について考えます。

 

次回(第14回)のひとり言は、こちら

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