ASPIRATION代表のひとり言

2019/06/02

第40回 | ベトナム・日本人の退職理由を考える【信頼関係が崩れた編】

こんにちわ。いつもベトナム転職・採用のことばかり考えている福田です。このひとり言では、私自身が経験したベトナム転職・採用活動を通じて思っていることをお届けします。私個人の主観が強いので、異論・反論も喜んで受付けています。それでは、第40回ひとり言をよろしくお願いします。

前回(第39回)のひとり言は、こちら

「信頼関係が崩れた」=「最初に言っていたことと違う」

前回は、ベトナム・日本人の退職理由である「人間関係が悪い」を取り上げましたが、今回は、人間関係(相性の問題)よりも、一緒に働く中で起きてしまった「信頼関係が崩れた」を考えていきます。端的に申しますと、「信頼関係が崩れた」=「最初に言っていたことと違う」になります。

今回は、私が実際に現地採用で働く人(被雇用者)から聞いた具体例を記載しています。この具体例はいずれも、私が弊社を始める前に聞いたお話ですので、少なくとも半年以上前のお話となります。また、私が人材業を始める前に聞いたお話になりますので、全て私の友人・知り合いからとなり、弊社登録者様のお話ではありません。。

また、下記に具体例を5つ記載していますが、その具体例がその方にとって退職の最大の理由であったかは不明です。恐らく、実際の退職には様々な要因が複合的に絡まっているため、下記の具体例=退職の最大の要因とはなりませんが、少なくとも退職を引き起こす一因になったのではないかと思います。

今回のコラムで、私はベトナム転職への不安を煽りたいわけではありません。実際に私が人材業を始めてからお会いした退職した人にお話をお伺いすると、基本的にはポジティブな内容(その企業では実現できないやりたいことが見つかったなど)となります。

そのため、多くのベトナム転職者様・企業様におかれましては無関係な話となると思いますが、もし今回のコラムをみてドキッとする企業様がいるならば、何かの参考になれば幸いです。 (具体例1の法律違反は論外です。)

信頼関係があるからこそ出来ることがある(写真と本文は関係ありません。)

信頼関係があるからこそ出来ることがある(写真と本文は関係ありません。)

具体例1. 労働許可証を取得してくれない

信じられないような話ですが、日本人(ベトナムでは外国人)を雇用しているにも関わらず、労働許可証を取得しない(させない?)企業で働かれていた方がいました。労働許可証がないため、テンポラリーレジデンスカードも取得できず、3ヶ月観光ビザを更新してベトナムに滞在していました。

まず大前提として、私達日本人は特別な条件を満たさない限りは、ベトナムでの就労において労働許可証の取得は必須です。詳しくは、下記のJETRO(日本貿易振興機構)様のWEBサイトをご確認ください。
https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/02/2017/7449e5550e1db333/vn-rp.pdf
(JETRO様のWEBサイトに移動します)

その方が働いている中で、税務局?が調査に来ると分かった日に、ベトナム人スタッフから「○○さん、税務局?が来るので隠れてください。」と言われたそうです。確かに、隠れる以外方法は無いですよね。なぜなら、その方はその会社に存在していない(存在してはいけない)人になっているわけですから。

その方は、これを機に「会社を信用できなくなった。」と言っていました。その後、その方はその企業を退職しました。

具体例2. 給与の支払い遅延が度々発生していた

その方が勤めていた会社は、決してもの凄く儲かっている会社ではありませんでした。そのため、給料の支払い遅延が度々発生したとのことでした。社員(被雇用者)は、基本的には給料を基にして日々の生活を過ごしているため、当然ながら給与の支払い遅延は死活問題となります。

但しその方も、会社の実情は分かっていたので、ある程度は我慢をしていたとのことですが、一方で社長が謎の出張(その方から見て、意図の見えない出張)が多くあり、それが不信感へと繋がったとのことです。

こちらの方の場合は、給与の支払い遅延がきっかけですが、それに対する会社側の対応(振る舞い)が退職に大きな影響を与えたのではないかと推測しています。

具体例3. テトボーナス(賞与)が数百万ドンだった

上記の給与と類似する問題です。しかし、賞与は会社の業績による点があるため、本当に業績が厳しい場合は、賞与が出ない、または少ない場合もあります。

但し私に話してくれたその方は営業職であり、年間で数千万円の売上を上げた(ドンではなく「円」です)のですが、賞与が数百万ドンだったとのことです。ベトナム在住の方はご存知かと思いますが、通常は、テトボーナス(賞与)は給与1ヶ月分となります。そのため、賞与数百万ドンは日本人にとっては、給与1ヶ月分以下の賞与額であることを意味します。

推測になりますが、もしかしたらその企業は、その方により売上は激増したものの、予想以上にコストが発生し、利益が少なかったのかもしれません。社員の方に対して、どこまで会社の実情を説明するかは難しい点もあるかと思います。但し、そのような場面でも、その方に対して何か合理的な説明があれば、退職は起きなかったかもしれません。

具体例4. 家賃補助有りと聞いていたのに、家賃補助が無かった

面接の際には、企業側は福利厚生で家賃補助が〇〇USDあると言ったそうですが、実際に部屋を借りた後に会社に報告をしても、色々と難癖(会社補助と思い、家賃が低い部屋を選んだら、「その家賃なら自分で払えるだろう。」と言われたそうです。)をつけられて、家賃補助が出ませんでした。

私はその方に「雇用契約書には明記してないか確認したら?」と質問しましたが、この相談を受けた際に、その場に雇用契約書が無く、本人の記憶でも、明記してある可能性が低いことと、ベトナム語でのみであったためサイン時には確認もしていなかったことより、恐らく明記されていないとのことで終わりました。

その後、その方はその会社を退職して別の会社に転職され、今では幸せそうに働いています。

具体例5. 年間目標を達成し続けたのに、昇給しなかった

こちらは営業職の方のお話になります。その方は、数年間その企業で営業職として働き、毎年営業目標を達成していました。私のその方に対する印象は、人当たりも良く、正に営業職に適任という方であり、本当に営業目標を達成していたのだろうと確信を持てる方でした。

その方と企業では査定項目に営業目標が達成あり、営業目標を達成すると翌年は昇給するとのことでした。しかし、達成した翌年、さらに次の年も達成したにも関わらず、一向に昇給は無く、入社時と同じ給与のままだったということです。

もちろん、その企業にも昇給させることが難しい理由があったのかもしれません。但しこちらも具体例3同様に、その方に対して何か合理的な説明があれば、退職は防げた可能性があります。なぜなら、1回目の昇給しなかった翌年も働いているわけですから。

長期雇用の秘訣はあるのか!?

企業様におかれましては、長期雇用したいという思いがあろうかと思います。残念ながら、それを実現する絶対的な正解は分かりません。給与額なのか、福利厚生の充実なのか、昇給・昇進制度なのか。もしかしたら全部かもしれません。しかし、長期雇用を実現する要素の一つに「信頼関係」が必ず含まれているはずです。

これだけ変化の早い時代には、企業活動において、当初言っていたことが変わることもあるかと思います。その時は、該当する社員(被雇用者)に対して、しっかりとした説明をすることが必要になり、それが「信頼関係」に繋がるのではないでしょうか。少なくとも社会人歴の90%以上が雇われの身(被雇用者)として過ごした私はそう思っています。

 

次回(第41回)のひとり言は、こちら

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