ASPIRATION代表のひとり言

2020/03/01

第59回 | 転職者様向け:超ざっくり ベトナムの労働許可書とレジデンスカードの違い

こんにちわ。このひとり言では、私自身が経験したベトナム転職・採用活動を通じて思っていることをお届けします。それでは、第59回ひとり言をよろしくお願いします。

前回(第58回)のひとり言は、こちら

ポイント

労働許可書は、日本人が特定のベトナムの会社で特定のポジションで働くための許可書
レジデンスカードは、ビザの一種であり、ベトナムへの出入国と滞在の許可書
ベトナムで働くためには労働許可証が必要、ベトナムに滞在するためにはレジデンスカードが必要

労働許可書を超ざっくり説明

まず、ベトナム転職者の方のよくある誤解として、「ベトナムで働く上では、労働許可書を取得すればビザを取得する必要がない。」があります。

これは間違いです。正しくは、「ベトナムで働く上では、労働許可書を取得し、その後ビザも取得する必要がある。」です。

なぜなら、労働許可書はベトナムの労働・傷病兵・社会問題省が発行している許可書であり、レジデンスカード含むビザ(査証)は入国管理局が発行しているからです。だから、労働許可書を取得しているから、ベトナムに自由に出入国することが出来、長く滞在できるわけではありません。ベトナムへ自由に出入国が出来、長く滞在するためには、レジデンスカード含むビザ(査証)が必要となります。

では、労働許可書と何でしょうか?
非常にざっくりと説明すると、(ベトナム人以外)外国人の人(〇〇さん)が、ベトナムにある□□会社で、△△のポジションで、約2年間働くことを、ベトナムの労働・傷病兵・社会問題省が許可した証書です。
〇〇さんという個人に対して、□□会社の△△のポジションが紐づいているイメージです。

そのためベトナム国内で転職した場合、つまり、会社が変わる場合は、労働許可書は新しい会社で新規に取得する必要がありますし、同じ会社でも社長や所長に昇格した場合は、新規に労働許可書を取得する必要があります。

また約2年間と記載した通り、労働許可書には期間があるため、期限切れになる前に更新する必要があります。

△△のポジションについても説明します。 労働許可書の種類は、「管理者」「専門家」「技術者」に分かれます。この種類のどれかで労働許可書を申請・取得する必要があります。

ざっくり言うと、「管理者」には、現地法人の社長か、駐在員事務所の所長しかなれません。 「技術者」は何か相当な専門技術を持っており、それを証明する人しかなれません。 そのため、多くのベトナム転職者の方(特に若手の方や、キャリアチェンジをする方)は、「専門家」という種類で労働許可書を申請・取得します。

「専門家」は、具体的には、××の専門家(例:営業の専門家、経営の専門家、マーケティングの専門家など)として申請します。もちろん、こちらの××の専門家の申請においても、その能力、経歴があることを証明する書類が必要となります。

その書類の一つが大学卒業証明書がありますが、場合によっては、大学卒業証明書でなくても申請・取得は出来ます。文学部や社会学部などでの大学卒業証明書は、企業の経営活動における××の専門家にそぐわない場合もあるため、申請書類として必要ないと判断される場合もあります。その場合は、別の書類でその××の専門家としての資質があることを証明する必要があります。

外国人が労働許可書を取得することについて、「何か大変そうだな~。」と思った方もいるかと思います。では、ベトナム転職すると必ず労働許可書を取得しないといけないのでしょうか。

超ざっくり説明すると、ベトナムにある会社で年間90日以上働く人は、労働許可書の取得が必要となります。 ※労働許可書の取得要件は他にもありますので、詳しくは下記JETROの資料よりご確認ください。 https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/02/2017/7449e5550e1db333/vn-rp.pdf
※JETROのWEBサイトに移動します。

残念ながら、今の労働許可書を取得せずに働いてい外国人(日本人含む)の方もいます。では、労働許可書を取得せずにベトナムで働くとどうなるのでしょうか。労働法第171条第2項では、強制退去と規定されています。

2. 労働許可書を所持せずにベトナムで就労する外国人は、政府の規定に基づきベトナム領土から強制退去させられる。 https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/vn/business/pdf/VN_20120618rev.pdf 
※JETROのWEBサイトに移動します。

また他にも考えられるリスクとして、労働許可書を取得せずにベトナムで働き、ベトナム国内の別の会社に転職する場合、新しい会社では労働許可書を申請しようとしますが、労働許可書の申請が通りにくくなる可能性があります。なぜなら、その申請においては、労働許可書を取得せずにベトナムで働いて炒め、申請書上ではベトナム国内で働いた履歴がないのに、パスポートの記録(スタンプ)上ではベトナムに滞在していたことになり、色々辻褄が合わなくなるからです。

また雇用する企業側としても、そのようなグレーの人は採用しないと決めている会社もあります。そうなると、労働許可書を取得していなかったが故に、希望の会社に転職できないという事態も発生します。

ベトナム転職の際には、面接や内定承諾書(オファーレター)の締結の際などに、必ず労働許可書の取得の有無と、取得方法や費用負担についても質問した方が良いです。労働許可書を取得している企業や取得する意思のある企業であれば、取得は当然のことなので、その質問に対して適切な回答をします。逆に、はぐらかされたり、煙たがられた場合は注意が必要です。(個人的には、そのような企業への入社はお薦めしませんし、この問題に適切に対応しない人材会社の利用もお薦めしません。)

レジデンスカードを超ざっくり説明

レジデンスカードは、テンポラリーレジデンスカードや一時在留(滞在)許可証などと呼ばれています。ここでは、レジデンスカードとします。

レジデンスカードは入国管理局より発行されるビザ(査証)の一種です。観光ビザ、ビジネスビザなど含む「ビザ(査証)」という大きな概念の中に、レジデンスカードが含まれているイメージです。

ベトナム転職すると、まず労働許可書を取得します。その後、レジデンスカードを申請・取得します。レジデンスカードの申請の際に、労働許可書が必要となります。

当然ながら、レジデンスカードの申請の際に労働許可書が必要となるのは、ベトナム転職者の方はじめ、ベトナムで働く人となります。

レジデンスカードはビザ(査証)の一種であるため、申請する際には、ベトナムに滞在する理由を示す必要があります。例えば、観光目的で長期間ベトナムに滞在したいのであれば、観光ビザとなります。日本からベトナムへ出張目的でベトナムに滞在したいのであれば、ビジネスビザとなります。ベトナムで長期間働く目的でベトナムに滞在したいのであれば、レジデンスカードとなります。

もちろん、ベトナムも外国人であればだれでもビザ(査証)の発行を認めているわけではありません。ベトナムで長期間働く目的でベトナムに滞在したいためにレジデンスカードを取得したいのであれば、逆に、ベトナムで長期間働くことが認められた証書を提示する必要があります。それが労働許可書となります。

つまり、「私〇〇(個人)という外国人が、ベトナムにある□□会社で、△△のポジションで、約2年間働くことを、ベトナムの労働・傷病兵・社会問題省が許可した労働許可書を持っており、ベトナムに滞在する必要があるので、レジデンスカードを発行してください。」というイメージです。

レジデンスカードはビザ(査証)の一種のため、ベトナムへの出入国の際に必要となります。そのため、空港のチックインカウンターではレジデンスカードを提示する必要があります。ベトナム入国の際には、イミグレーションで提示する必要があります。

一方で労働許可書は、私がベトナムに7年間住んでいる中では、一度も提示を求められたことありませんでした。但し、紛失すると非常に困るため、会社の金庫など信頼できる場所に保管しています。

 

今回、超ざっくりと労働許可書とレジデンスカードを説明しました。それでも「よく分からん。」という方もいるかと思います。

ベトナム転職前に全てを理解する必要はないと思いますが、ベトナム転職するのであれば、ごく一部の特殊な状況の方を除き、ほとんどの方が労働許可書を取得する必要があるということ、そして、労働許可書取得後には、ベトナム滞在のためにレジデンスカードを取得する必要があることは覚えておいていただきたいと思います。

 

次回(第60回)のひとり言は、こちら

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