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ベトナム現地採用で働く人のリアルな本音

2019/01/03

第28回 | ベトナム現地採用で働く人:ベトナムで働く編【後編】
ベトナム人への指示は、「どうやって」の方法だけではなく「なぜ」の背景も教えること。
Kさん(男性 / 30代後半 / ベトナム歴10年以上 / ホーチミン)

前回(第27回)のKさんの「ベトナム現地採用で働く人:ベトナムで働く編【前編】」は、こちら

Kさんは、日本とベトナムで働かれていますが、ベトナムと日本の働くことの違いについて教えていただけますか?

日本で大きな会社で働いていると、組織の一番下からの出発となります。若い時はすごく小さな歯車のイメージです。そして将来大きな歯車を動かせる人になろうと思ったら、大変な競争に勝たないといけないわけですね。その競争の中で、色々な経験は出来ると思いますし、専門的な知識も勉強できると思います。

ただそれは深さの話であって、広さ・幅で見ると、ベトナムに限らず海外に出た方が様々な経験を積むことが出来ます。自分の分かる範囲が広がれば広がるほど、吸収できるものの量が違うと思います。海外にいると、自分のやりたいことだけでなく、やらないといけないことの範囲も広いですからね。そして、様々なパターンの経験を積むと対応力の幅も上がりますしね。

でも、範囲が広がることに対して自分の発揮できる力を均等割りしてしまい、範囲が広がることでパフォーマンスも低くなりましたというであれば、海外に出ない方がいいのかなと思います。

ベトナムで働く中でパフォーマンスを上げる際には、どのようなことを意識すれば良いでしょうか?

自分一人ではなく、ベトナム人の人と一緒にパフォーマンスを上げることを意識することです。例えば、求められているのが100ならば、自分が80でベトナム人が50の合計130でもいいわけです。

但し、言語・文化・考え方の異なる人間同士が共に働くわけですから、1年ぐらいの期間では期待通りのパフォーマンス結果が出ない場合もあると思います。1年経てば出来るという保証が無いからこそ、1年で実現するためにはどうするか、自分が何をしなければならないのかということを働きながら勉強することが大事ではないでしょうか。

1年程度の短い期間で考えてしまい、1年間で出来ないからと諦めるのであれば、正直ベトナムに来てまで働く意味はないと思います。

ベトナム・海外で働くには長期的な視点を持つことが大事になりそうですね。

とは言え、いきなり1、2年後について明確な目標は作れないと思うので、自分は最低限これだけをやるということを持つのが良いでしょう。そして当たり前ですが、その時の結果は自分にとって良いものでなければならないという思考でいることでしょうか。あとは、それに対して自分がどうしていくのか。

周りに敵しかいないのであれば、敵を仲間にすれば良いだけです。全員を仲間にするのも無理な話ですが、少しでも仲間を増やせれば自分の力が発揮できる範囲が広がるので、ベトナムが嫌になって帰ることもないというのが私の経験ですかね。

今までのKお話では、ベトナム人を仲間にする、ベトナム人にやってもらうなどの表現が出てきました。それを実現するために、Kさんはどのような点を意識しているのでしょうか?

簡単に言うと、如何にベトナム人の部下にやらせるかを意識しています。これは悪い意味ではありません。

部下に仕事をやらせるためには、自分が部下に指示をしないといけません。部下に指示をするためには、自分が何を指示するかを理解しておかないといけません。
理解するためには、自分なりに何かツールを使い、覚書や備忘録なども作る必要があると思います。そうなると、自分の理解度が上がりますし、部下に伝える内容の質も上がります。
部下の理解度が上がると、必然的に部下が出来るようになります。部下が出来るようになると、その業務は部下に任せることが出来、自分は新しい別の業務が出来ます。

だから、部下に仕事を取られるのを恐れるのではなく、自分が出来ることを増やしていき、部下が自分に追いつけなくなるようにすることです。部下に教えないのではなくて、部下がやっていること以外のことを自分がどんどんやっていけば、部下にやらせる量も増えるし、自分が出来る仕事の量も種類も増えますからね。そこを意識しています。

部下に伝えるために、まず自分がしっかりと理解しておく必要があるということですね。その「理解」とは、業務を詳細な業務フローなどのレベルに落とし込んだりするようなことでしょうか?

いえ、そこは行き当たりばったりです(笑)。行き当たりばったりですけど、業務の引継ぎは早く引き継げるかよりも、正しく引き継げたかどうかを重要視しています。

そのためには、どうやったら正しく引き継げられるかを考えなければならず、引継内容は簡単で分かりやすくしないといけないですし、不明確な点があれば明確にしないといけません。

しかし、それだけやっていても引継の途中で、部下が悩むことがあります。それは方法の話ではなく、「なぜ?」ということに悩みます。「なぜ?」の理由をちゃんと伝えないと、彼らの中では、「上司に言われた」や「社長に言われた」でストップしてしまいます。

だから、「会社の状況はこうで、こういうことが要求されています。」という「なぜ?」の背景を説明してあげます。これを理解してやってくれるベトナム人は、将来マネジメントに優れた人になることが多いですね。逆に、これを全く意識せずに自分のペースでやっていくベトナム人は、スペシャリスト系なることが多いですね。引継業務の中でも、ベトナム人の適性を見極めていくのがいいと思います。

ここでも人の見極めが大切になるということですね。見極めるためにも、最初に仰っていたように、一人ひとりと会って話すということが大事なのですね。

そうです。ベトナム人という一括りで捉えるのではなく、一人ひとり個人として認識していくことが大事になります。
当たり前ですが、ベトナム人を個人として認識しないということは、ベトナム人からも、「あなたは日本人だから。」という見方をされて、あなた自身を評価してくれなくなります。自分の見ている目(見方)で、相手も自分を見ていることを意識するのが良いのでしょう。

つい「ベトナム人は〇〇だから」と一括りにしがちですが、その色眼鏡を外して、一人ひとり個人として接していくことで、その人の内面を見ることが出来るわけですね。
Kさんは日本人の現地採用も担当されていると聞いております。続いて、Kさんの日本人現地採用についてもお伺いしたいと思います。

 

こちらのリアルな本音は、YouTubeでも公開しております。

 

Kさんの「日本人採用担当者:ベトナム採用活動編」は、こちら

次回(第29回)のKさんの「ベトナム現地採用で働く人:ベトナム生活編」は、こちら

<編集後記>
日本人がベトナムで働く中では、ベトナム人の方への指示・依頼を出すことは多々あります。急いでいると、「どうやって」の方法だけしか伝えておらず、「なぜ」の背景を伝えないこともあるのではないでしょうか。「どうやって」の方法だけの伝達では、相手には方法論しか伝わらないため、「また仕事が増えた」や「何で私がやらないといけないのだろう」などのネガティブに受け止められる可能性もあります。そうなると、作業上のミスや進捗の遅れなどが発生するリスクもあります。そうならないためにも、「なぜ」の背景をしっかりと伝える方が良いでしょう。

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