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ベトナム現地採用で働く人のリアルな本音

2019/05/05

第35回 | ベトナム現地採用で働く人:ベトナム給与編【後編】
ベトナムにいる理由を持っておくことが、1年目の壁を超える秘訣
Qさん(男性 / 30代前半 / ベトナム歴3年以上 / ホーチミン)

前回(第34回)のQさんの「ベトナム現地採用で働く人:ベトナム給与編【中編】」は、こちら

実は先日、私がコラムで「ベトナム・ホーチミン市では給与1,500USDでも生きていける」と書いたら大きな反響をいただきました。Qさんは、給与1,500USDという金額はどう見ますか?

第29回 ASPIRATION代表のひとり言 ベトナム・ホーチミン市で給与1,500USDは生きていけるのか!?

手に職が無い、資格が無い、経験が無い、語学が無い状態でベトナム転職するのであれば、最初はそんなもんじゃないでしょうか。ベトナム語がペラペラだったりすると、それは圧倒的に強みになりますから良い給与が貰えると思います。でも、自分に何も武器が無ければ、給与1,500 USDぐらいがスタートかなと思います。

給与1,500 USDでベトナム・ホーチミン市で日本人が生きていけるか、生きていけないかと聞かれると、「生きていけます。」が、私の答えですかね。現に私も生きていますから。

ベトナムは、日本と比べて物価が安い国です。だから、日本と比べると給与額が低くなるのも当然だと思います。その中で、日本と同額の給与額を期待するのは難しいかなと。日本で働くよりも高い給与を貰えるとしたら、ベトナム語が出来るかどうかでしょうかね。

選考活動中や働いて1年、2年経った時などに、給与交渉をされたりしたことはありますか?

私の入社時は、Gross1,500USDのスタートでした。ベトナム転職活動中に受けた会社の給与はだいたい1,500USDでしたので、どの会社もそのぐらいの給与からスタートなのかなと思っていましたので、入社時に給与交渉をしたことはありません。 入社後は、節目節目で面談はしたことありますが、その中で私から給与交渉をしたことはないですね。会社が昇給を提示してくれて、それに「はい。分かりました。」と言って、今に至るという感じですね。

Qさん自身は、なぜ自分の給与が上がったと思っていますか?

ベトナム転職をした最初の頃と比べて、出来る仕事の量が増えたのと、仕事の質が上がったからだと思います。

「仕事の量が増えた」とは、具体的にどういうことでしょうか?

自分が出来る仕事の量を増やすのは当たり前のことですが、会社のベトナム人スタッフ含めて、出来る仕事の量が増えたということですね。

最初の頃は、自分が日本人なので、日本人のお客様からの対応や日本語がある書類の対応は、全部自分がやらなくてはいけないと思い込んで、全部自分がやっていました。でも、それだとすぐに限界が来て、回らないんですよね。身体は一つしかないわけですから。

だから、どうすればこの作業をベトナム人スタッフにもやってもらえるかということを考えて、両者(日本人、ベトナム人)が分かるフォーマットを作成したり、日本流の仕事の進め方を教えたりしました。何か一つの作業を全部任せるのはまだ難しいのですが、その作業の一部分でも手伝ってもらえれば、私も出来ることが増えます。そして、ベトナム人スタッフも出来ることが増えます。それによって、会社全体として出来る仕事の量が増えるわけですから、そこが評価されたのかなと思います。

では、「仕事の質を上げる」についても教えてください。

仕事の質を上げるは、同じミスをしないとか、前回よりも早く完了させるとかになります。ベトナムだと一つ一つの業務フローが決まってない、属人的且つ結果オーライなやり方が多いです。それだと、上手くいく時は上手くいくですが、何か問題があって何か一つでも狂えば、絶対に上手くいきません。

先ずは、業務のフローをきちんと考えて、いつ、誰が、何をするなどを決めることですね。後は、報告と確認でしょうか。それが上手く機能すれば、一回やった業務は次は早くミスなく出来るはずです。

でも、なかなかすぐには出来ないですよね?

出来ないですね。まず自分が業務を把握しないと出来ないですね。私も今の業界は未経験で入社しましたので、出来ない経験もしました。ベトナム転職をして最初の1年目は、ベトナム、ベトナム人、仕事に対して慣れるので必死でしたし、色々きつかったですね。

でも2年目ぐらいから何となく分かってきて、そこから仕事が上手くいくようになった気がします。で、仕事が分かってきたから、そこから自分の意見も言えるようになりましたね。分からなければ何も言えないですからね。

最初の1年目は何かと大変だと思います。言葉よりも、文化や考え方の違いに慣れるのが大変ですよね。だから最初は、意味が分からないけど、覚えたり、受け入れたりしなければならないことばかりです。でもそれをすることで、知っていることが増えていきます。それを2年目以降に活かす感じですね。

私の好きな言葉で「守破離」という言葉があるのですが、それに例えるなら、1年目は「守」で、先ずは色々覚えたり、受け入れたりですね。その後、「破」で、そこから自分で仕事の進め方やフローで良いと思うもの、良くないと思うものを選びます。今まであるものが全て良いとは限りませんからね。最後に「離」で、新しい方法や仕組みを考えることですよね。

「守破離」で例えるなら、Qさんは今はどの段階ですか?

「守」と「破」の間ですかね。と言うのも、ベトナムは変化が早いですし、法律面も国の担当者が言うことがコロコロ変わりますから、常に新しい「守」が発生しています。だから、覚えたり、受け入れたりすることは、常に発生し続けますよね。

ある程度「守」が出来た後で、自分の意見を発信していくのが良いのでしょうか?

そうですね。少なくとも、今までや現状がどうなのかを自分自身がしっかりと把握、理解しないといけないと思います。何も分からないまま、自分の意見を言っても、周りの人は「何言ってんだ、こいつ。」となりますからね。そうなるとなかなか信用されないから、本当に良いこと言っても、誰も聞いてくれないんですよね。

最後に、ベトナム転職を考えている人にアドバイスはありますか?

ベトナムは日本とは違う環境なので、最初の1年目は大変だと思います。でも、それを越えれば、ベトナムで働くことの良さが見えてきて、楽しく過ごせると思います。逆に、この1年が超えられなければ、ベトナムで働くのは大変かもしれません。

その最初の1年目を越えるためには、何が必要なのでしょうか?

難しいですね。多分、人それぞれ違うのではないでしょうか。私も特に何か熱い信念を持ってベトナムに来たわけではありません。でも、いつか日本に帰る時が来たとしても、せっかくベトナムに来たし、自分の中で何かやり切った、達成感を得てから日本には帰ろうと思いはありました。思い当たるのはそれしかないですが、それがあるから今日までやって来れたのかと思います。

仕事に関しては、ベトナムは日本よりも厳しい面や意味の分からない面はたくさんあります。給与も大切ですけど、その辛い時期をそれが支えてくれるかと言うと・・・、どうでしょうかね。私の場合は違いますね。自分を支えてくれるのは、結局、最後は自分だと思います。だから、何か漠然とでもベトナムにいる理由、ベトナムで働く理由があった方が良いと思います。

最初のベトナム1年目の壁を超えるには、自分自身の中に、ベトナムに自分がいる理由を持っておくことが大切ということですね。本日は、インタビューをありがとうございました。

 

次回(第36回)は、2019年5月中旬に公開予定です。

<編集後記>
今回より新たに「給与編」ということで、給与にフォーカスしたインタビューを行いました。給与は非常にセンシティブな情報であるため、Qさんの個人に関する情報はかなり隠したインタビュー記事となりました。そのため、特に日本にお住いの方は、イメージがつきにくかった点があったかもしれません。
インタビュイー(今回で言えばQさん)の情報が少ない中ではありますが、その中で共通項のある方に対して、ベトナムで働くこと、生活することに対する給与額のイメージをしていただく一助になれば幸いです。

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