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日本人採用担当者のリアルな本音

2018/11/13

第1回 | 日本人採用担当者:ベトナム採用活動編
マッチする点を具体的な業務レベルに落とし込むことで、選考がスムーズになる
Hさん(男性 / 40代前半 / ベトナム歴5年以上 / ホーチミン)

本日は、インタビューをよろしくお願いします。まず、Hさんは今回初めて日本人の現地採用を行ったとのことですが、率直な感想を教えてください。

正直、疲れました。まず、採用という業務がこんなに大変だとは思っていなかったです(笑)。
と言うのも、私は今まで日本人部下を教育した経験はありますが、採用業務の経験はなかったので全て手探りの状態で始めたからだと思います。日本人の現地採用を採ろうと思っても、まず何をしたらいいのかも分からなかったので、とりあえずベトナムに来てから知り合った人材紹介の業者さんに全て電話しました。そこから採用の仕方とかを聞いたりして、進めたって感じですね。

こちらに赴任されている日本人の方の中には、日本で人事のご経験がない方もいますので、採用業務をゼロからスタートするのは大変ですよね。

そうですね。ベトナム人の採用に関しては会社のベトナム人マネージャーと一緒に進めて、会社にもある程度ナレッジがあるので何とかなるのですが。
今回、日本人の採用は初めてでベトナム人にどのような日本人がいいかと聞いても、「優しい人」、「怒らない人」としか要望がなかったですし(笑)。雇用に関する法律面等の確認はベトナム人スタッフにも協力してもらいましたが、それ以外は全部自分でやりましたね。通常の業務もあるのでその中で採用のための時間を確保して進めていかなければならず、採用業務を始めた時なんて1ヶ月で体重が3Kgぐらい落ちましたよ(笑)。

通常の業務に加えて採用業務となると本当に時間が無いですよね。では、今回日本人の現地採用を採った背景は何でしょうか?

事業拡大に伴い、日本人の人材が必要になったからです。今までは日本人は私一人でそれで業務が回せていたのですが、ありがたいことに新しい契約も増えまして。それで新たに日本人を入れないと日系企業様のフォローが出来ず、サービスの質が落ちるのではと感じ始め日本人の現地採用を検討し始めました。

日本人の現地採用の検討を始めてから、いつ頃までに採用したいなど採用計画はあったのですか?

もちろん、早く人が欲しいというのはありましたが、急いでミスマッチな人を採用しても意味は無いので良い人がいればという感じで、特に明確な時期は設定していませんでした。先ほども申した通り、私にとっては採用業務が初めてでしたので、そもそもどのぐらいかかるものなのかも分からず、まぁ、3ヶ月ぐらいかなと思っていました。

実際には、内定を出すまでどのぐらいかかりましたか?

だいたい8ヶ月ぐらいですかね。マッチした人がなかなかいなくて予想以上に時間がかかりましたね。その間は、そもそも本業で人が足りていない状態でしたので忙しかったですね。

お忙しい期間が8ヶ月も続いたのですね。因みに、今回はどのような方法で日本人の方を採用されたのですか?

既に日本人を現地採用された方に聞くと、人材紹介会社を使わないと採用出来ないと教えてくれたので、人材紹介会社を利用しました。そもそもどこに人(現地採用希望の日本人)がいるのか分からないので、人材紹介会社を利用するのがベストだと判断しました。

ご利用された人材紹介会社は何社ぐらいですか?

最初に私の方から電話で問い合わせさせていただいたのは8社ぐらいだった気がします。その後に実際にお会いして、色々やり取りさせていただいたのは5社ぐらいかな。私も忙しかったのでなかなか時間が確保できず、そのせいでメールの返信とか遅くなり、そのまま疎遠になってしまった業者さんもいますね。採用業務にもっと時間を確保できていれば、もっと多くの人材紹介会社さんを利用出来たのかもしれませんね。

実際に、人材紹介会社をご利用されてみての感想はいかがですか?

まず、こうして無事に採用ができたので非常に感謝しています。また、頑張ってご提案くださったのですが採用に至らなかった業者の方には、申し訳ない気持ちがあります。基本的には、どの業者さんもレスポンスが早くて良かった印象があります。

ご利用された中で、私達人材会社に対してもっとこうした方がいいなどアドバイスはありますか?

正直に言うと、どの会社さんも対応は同じって感じでしたね。弊社に対する質問は、どの会社さんも同じようなことしか聞かれませんでしたね。「それは、具体的には何ですか?」みたいな質問もあまりなかったですし。

みなさん若い方が多くてビジネス経験もたくさんあるわけではない中で、しかも弊社の事業もマイナーなので、恐らく弊社が何をやっているかもあまり理解されていなかったのではないかと思います。事業内容のお話をしてもあまり深く聞かれることはなかったので、「本当に分かっているのかな?」って感じは受けましたね。

企業が求める人物像を明確にする上で、その企業のビジネスモデルの理解は必要ですね。

もちろん人材紹介会社さんも担当しているお客様は多いと思いますので、全てを理解しろとは言いませんが、中には弊社のことを全く調べてないのかなと思うような方もいらして(笑)。一応、人材紹介会社さんもそれでお金を貰っているわけですし、せめて訪問するなら少しは調べてから来てほしかったですね。

他にも、人材会社に対して何か気付いた点とかはありますか?

これは、人材紹介会社さんのせいなのか分かりませんが、面接の時に求職者からの質問で、私が人材紹介会社さんに言ったはずの情報が求職者に伝わっていないのか、全く同じことを聞かれることがありました。これは人材紹介会社さんが求職者に伝えていないのか。それとも伝えたけど、求職者が忘れているだけなのかは分かりませんが。とりあえず同じことを何度も言わないといけないのが手間でしたし、無駄な時間になると思いましまた。

では、求職者の方に対しても何かアドバイスはありますか?

どの会社を受ける時も同じだと思いますが、なぜその会社に入りたいのかという明確な理由を持って選考を受けるのがいいかなと思います。私も実際に住んでベトナムという国のことが好きになりましたけど、「ベトナムが好き」や「ベトナムが成長しているから」と、「この会社に入社したい」は志望理由としては違うかと思います。それを志望理由とされても採用する側としては判断が難しいですよね。

もちろん仕事が全てではないですし、「ベトナムが好きで、ここで生活するために働く」という考えは否定しません。ただ、私も会社を代表して採用責任者という立場上、「他の会社ではなく、弊社に入りたい」という理由があった方が嬉しいですし、そうでなければ、「じゃあ、弊社でなくてもいいですよね。」と思うのが正直なところです。

このような問題が起きる一つの要因として、ベトナム法人の企業情報が少ないため、求職者も判断材料が少ないためだと思いますが、Hさんはどうお考えでしょうか?

それは、一つの要因としてあるかもしれませんね。今回、採用活動するにあたり、改めて弊社の日本本社のホームページを見たのですが、中途採用のコーナーがあることに気付きました。情報がたくさん載っていて、いいなって思いましたね。弊社のベトナム法人の方はWEBサイトすらないですからね。日本にいてベトナムへ転職を考えている人が、実際に弊社がベトナムで何をやっているのかを想像するのは難しいかもしれません。これは企業側の問題かもしれません。

あとこちらも弊社側の問題ですが、採用活動を始めた頃はどのような人が欲しいのかがあまり明確になっていなかったからもしれません。最初の頃はどの人材紹介会社さんにも、「良い人をお願いします。」と依頼していましたが、今思えば、「良い人」って誰だよって感じですよね。弊社の仕事は、未経験の方でも出来ないわけではないですが、日本でも同じ業界、またはそれに近い業界で経験ある人の方がいいですし、日常会話レベル以上の英語能力は必須です。だから最初の頃は、せっかく人をご紹介いただいても私が求めている人と全然違うってことが多々ありました。もっと条件や業務内容を明確に伝えていればその条件に近い人だけになり、ある程度は、弊社で働くことがイメージできた人だけが応募してくれていたのではないかなと思います。

いつ頃から求める人物像の「良い人」が漠然としたイメージから、具体的に明確になってきたのですか?

書類選考など選考を進めていく中で、自然と気付いてきたって感じが強いです。一人ひとりの履歴書など見ていると、この辺が合う、この辺が合わないというポイントが出てきまして、そのポイントを一つずつメモしていきました。そうやって書き出して、ある程度の数が溜まったらそれをグループ分けしてみて、その後そのグループを出来るだけ具体的に簡潔に示す言葉を考えて、それを応募条件にしました。

それはとても大変な作業でしたね。

大変でしたね(笑)。でも、求める人物像が自分の中でも明確になったことで、選考に基準が持てて楽になりました。また、人材紹介会社さんへフィードバックも具体的に伝えることが出来るようになったため、次に紹介される人が求める人物像に近づいていき、何か進んでいる感もありましたね。

他にも、求職者の方に対して何かアドバイスはありますか?

これは、海外転職に関わらず日本国内の転職でも同じかと思いますが、自分のこれまでの経験から得た強み・弱みをもっと理解した方が良いかなと思いました。今回の弊社の場合ですが、中途採用という形でポテンシャルも見ますが、これまで働いてきた経験から、あなたは何が出来るのか、それが弊社でどう活かせるのかという点を中心に見ていました。それを聞いて、私の方で実際にその人が入社して働くイメージを作っていました。求職者の多くの人が、作業内容や実績などは丁寧に説明してくれるのですが、全く同じ業務は弊社ではないので、「だからその経験から得たものを、このようにして御社で活かします。」と言ってくれれば、こちらも判断しやすいですね。

これは難しいかもしれませんが、面接の際に自分の弱みをはっきりと言うことですね。私達も、完璧なスーパーマンのような人を求めているわけでないです。実際にあったのが英語能力は問題ないとのことでしたので、英語で質問したら全く答えられない人がいました。出来ないことは、そこからどのように努力して改善するかだけですので、出来ないことが悪いこととは思っていません。ただ、自分でその点をはっきりと言えない、理解していないのは問題かと思いますので、そこは厳しく評価することになります。また、お互いがいい点、悪い点含めて言うことが、お互いにとってミスマッチにならなくて良いかと思います。

当たり前ですが、両者にとってミスマッチを起こさないためにも、自己分析をして正直に答えるということですね。続いて、Hさんに現地採用の方への教育・キャリアプランについてお伺いしたいと思います。

 

こちらのリアルな本音は、YouTubeでも公開しております。

 

次回(第2回)のHさんの「日本人採用担当者:ベトナムで共に働く編」は、こちら

<編集後記>
Hさんのお話は、私も採用担当者の立場を経験しましたので非常に共感する点がありました。まず、採用業務は、通常業務にプラスされる形ですので、その期間はより忙しくなりました。また、良い人の定義を決めるのも難しく、自分が会社や業務のことを具現化出来ていないかを痛感しました。企業様におかれましては、必要となってからやるではなく、必要となる前から少しずつでも準備しておくことがよろしいかと思います。

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