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日本人採用担当者のリアルな本音

2019/04/16

第23回 | 日本人採用担当者:ベトナムで共に働く編
「現地採用」と呼ぶのは、そこに格差がある日本だけ。「現地採用」という言葉を無くしたい
Cさん(男性 / 30代前半 / ベトナム歴5年以上 / ホーチミン)

前回(第22回)のCさんの「日本人採用担当者:ベトナム採用活動編【4/4】」は、こちら

Cさんの会社では、働いている社員の方に対する教育やキャリアプランはどのようにお考えですか?

教育としては、特別に何かあるかというわけではなく、OJT(On-The-Job Training)形式で教えていることぐらいですかね。

キャリアプランとしては、「現地採用だから給与が安い」というイメージを変えたいです。駐在員と遜色ないぐらいの給与をあげたいです。そのための給与テーブルもポジションも用意しています。

だから会社としては、それが実現できる仕事をもっともっと作らないといけないですね。将来的には、何らかの拡大路線は取らないといけないのかなと考えています。

福利厚生はどの様にお考えですか?

「日本人だけ優遇」はしたくないので、日本人もベトナム人も同じ福利厚生・待遇です。

弊社ではないですが、聞くところによると日本人だけ家賃補助がある企業とかもあるようですが、それはおかしいと思います。日本だと、北海道出身の人が東京の会社で働くために東京に住むのに家賃補助は出ないですよね。でもなぜベトナムの場合は、日本人の雇用で家賃補助が出るのか、未だにその意味が分からないです。それは、「日本人が住みたくない国に来てください。」という会社からの意思表示だと思ってしまいます。

もしそうだとすると、ベトナムで日本人を採用したいのに、「ベトナムでは住みにくい国、大変な国ですよ。」とアピールしているのと一緒です。だから、ますます日本人が来なくなるのかなと思います。弊社の場合は、このベトナムで働きたいという人を採用したいスタンスですから、家賃補助など日本人だけが優遇されている福利厚生は意味分からないですね。

もちろん、ビザなど日本人が国籍の問題等により、ベトナムで働く・生活するために必要なものは会社の手当で出します。

ベトナム転職をされる方の中には、企業を選ぶ際に福利厚生も意識される方もいますが、Cさんのお話も踏まえて、企業選びの際に、福利厚生はどのように考えればいいのでしょうか?

その会社の一番の魅力が福利厚生であれば、会社としても福利厚生をアピールするしかないから、転職者はその会社のスタンスを見極めれば良いのではないでしょうか。

弊社の場合は、そもそも「日本人だけ優遇」の福利厚生がないため、他社と比べると福利厚生は薄いかもしれませんが、その分、昇給を重視しています。「1年経って100USD/月上がりました。」ではなく、ベトナム企業並みに昇給率の高い給与テーブルとしています。福利厚生分を給与で支払うイメージでしょうか。

質問は変わりますが、今後のベトナムの日本人現地採用はどうなっていくとお考えですか?

まず、「現地採用」という言葉を無くしたいですね。「駐在員」と「現地採用」と言葉で分けているのは日本だけではないでしょうか。

欧米のグローバル企業で、「現地採用」という言葉はありますか?「現地採用」という言葉は、「駐在員」と「現地採用」で給与や待遇などで格差が存在している国にしかない言葉だと思います。「駐在員」が上で「現地採用」が下という考えを持っているのは、日本人だけではないでしょうか。

私は、本来は頑張って結果を出せば、平等に昇進・昇給のチャンスがあるべきだと考えています。それはベトナム人も含めて。だから、個人的には「現地採用」という言葉は何なのだろうと疑問に思いますけど。

今後期待するのは、「駐在員」で来ている日本人社員の上司に「現地採用」の人が就く事例が増えればいいなと思いますね。その会社の階層の上位を「駐在員」が占めないといけないというルールがおかしいですよね。まぁ、でもそれは、日本本社を含めての話になるから難しいのでしょう。

だから多くの会社が、日本で派遣社員を雇うような感覚、安くて手離れがいいという感覚で、「現地採用」として日本人を雇っているのではないでしょうか。だから、今の「現地採用」の仕組みも扱いも日本でいう派遣社員の枠だと考えれば納得がいきます。

ちょっと極端な例えかもしれませんが、人材会社もそういう扱いをしている企業の「現地採用」の募集は分かっているはずだから、「この会社の仕事は日本の派遣と変わりません。このような給与、キャリアプランしかないですけど、それでも行きたいですか?」と説明して、転職者に紹介すればいいと思います。

これについては、転職者様が人材紹介会社より企業様を紹介された時に人材紹介会社に質問してみるのもいいかもしれませんね。

転職者の方は、面接の時に企業に直接聞いてもいいと思います。「キャリアプランはどう考えていますか?現地採用が駐在員の上になることや、その事例はありますか?」などと。

その質問をして不合格になるのであれば、不合格で良いと思います。だって、その会社に入社しても幸せにならないから。そうなると、そういう企業には誰も入らなくなりますよね。そうなると企業も人手不足になるから、「変わらなきゃ。」と思い始めて企業が変わるから、そうなればいいなって思っています。これはベトナムに限らず、日本でも一緒です。採用できずに人が足りなくなれば、企業は潰れるか変わるかしかないですから。

そのような企業は自然と淘汰されていくわけですね。

そうです。そして、そのような質問をすることにより、ベトナムで働くのと日本で働くことは全く違ったキャリアになることも分かりますから、その上でのベトナム転職だと良いですよね。

最後に、Cさんが思うベトナムで働くことの魅力について教えてください。

仮に本当に派遣みたいな業務内容だとしても、海外で働くことに価値はあると考えています。2年間働くなら、その2年間で人脈を広げて、自分でキャリアの方向性を探すことも出来ます。日本で派遣社員として働いていたら、それは難しいと思いますが、このベトナムならそれが出来ると思います。

あとベトナムは、未経験でも人前に出ること出来る環境があることです。日本だと未経験で入社したら、最初は勉強や研修などでなかなか出られないですよね。でも、ベトナムだと未経験でもガンガン営業させてくれますよね。

野球に例えると、日本だとずっとベンチ温めているのが、ベトナムだとバッターボックスに立てる機会がすぐに来るわけです。そこで、ボールを打てるかどうかは別ですけど。日本だと打席数ゼロ、打率ゼロですけど、ベトナムだと打席数は稼げます。だから、試合に出ることが出来るチャンスが多い、やろうと思えばそれが出来る環境があるのがベトナムで働く魅力だと思います。

確かに、ベトナムでは業務の中でも色々なことが出来る機会がありますね。それをチャンスと捉えられる人にとっては、ベトナムで働くことは非常に魅力的ですよね。本日は、インタビューをありがとうございました。

 

こちらのリアルな本音は、YouTubeでも公開しております。

 

<編集後記>
「現地採用という言葉を無くしたい。」実は、このセリフは、インタビューの冒頭から何度もCさんが仰っていました。それは、「現地採用」と「駐在員」に、給与・待遇、そしてイメージの格差があり、それを取り除きたいという思いからとのことでした。
私もベトナムで6年生活し、人と挨拶をさせていただく中で、「駐在員ですか?現地採用ですか?」と聞かれることが何度もありました。これは単純にベトナムに来たきっかけを聞いているのかもしれませんし、その差を心のどこかで意識していて出てきた質問かもしれません。
私もCさんの意見に完全に同意であり、「現地採用」「駐在員」で扱いが分かれるのではなく、頑張って結果を出せば、平等に昇進・昇給のチャンスがあるべきだと考えています。そしてそれを実現するため、人材会社にもすべきことがあると再認識することが出来たインタビューでした。

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