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日本人採用担当者のリアルな本音

2018/11/27

第4回 | 日本人採用担当者:ベトナムで共に働く編
明確なキャリアパスはまだない。だからこそ、チャレンジして自分の道(キャリア)が作れる環境を提供する
Nさん(男性 / 40代前半 / ベトナム歴5年以上 / ホーチミン)

前回(第3回)のNさんの「日本人採用担当者:ベトナム採用活動編」は、こちら

採用が終わると、次はその方への教育やキャリアパスなどの課題が出てくると思いますが、現在どのような状況でしょうか?

教育については基本的には自分がやっていた業務を引き継がせていますので、私がOJTで教えています。他には、業務に役立つと思うセミナーがあれば有償であっても会社のお金で行かせたりします。会社としては教育する「場」を提供するというイメージです。

日本でも経験しましたが、学ぶ意欲がない人に会社がやれやれと言っても何も身につかないんですよね。その本人が学びたいという主体的な気持ちがあって成り立つものなので、主体的に学びたい、もっと成長したいという人に対して、会社からはその「場」を提供するということです。

では、現地採用の日本人のキャリアパスについてはどのようにお考えでしょうか?

採用前からキャリアパスの制度設計は考えていましたが、今回は初めての日本人の現地採用でしたので、その人と一緒に働く中で本人の意向も踏まえながら共に作ろうと考えていました。そのため、面接の際に求職者には、「キャリアパスに関してビジョンはありますが、現時点では、日本の会社の様に明確なものは弊社にはありません。しかも、それを一緒に作ってくれる人を求めています。」という形で説明をして、共感してくれるかどうかを見ていましたね。

入社してからは、キャリアパスを共に策定していく上で、弊社の理念や事業計画等は早くから共有していますし、職務記述書の業務や習熟度をスケジュールに当て込んでいく作業などは一緒に行ったりします。それはそのまま引き継ぎ資料にもなりますし、作業標準書のような役割も兼ねます。また、次回採用があれば募集要項にもなってくる部分ですよね。この辺は全部連動していたほうが良いと自分は考えています。

Nさんの会社では今後も日本人の現地採用を行う可能性があると思いますが、今後の現地採用はどのようなものになっていくとお考えでしょうか?

現時点の私個人の考え方としては、日本人現地採用もベトナム人スタッフも、評価や待遇面を含め全く同等に見ています。会社への貢献度やアウトプットで、判断・評価するということですね。 但し、国籍の点で違いを考慮すべき点もあります。交通事故や怪我、病気などの緊急な場面で病院に行っても、ローカルの病院でしたら言葉が通じない可能性があるので、英語の通じる医者のいる病院に行けるなどの労災保険含む損害保険へ加入したりですね。また、日本に一時帰国したいこともあるでしょう。帰国手当や本社付けの社会保険加入といった生活に関わる部分、他にも本社の総会等への参加といったグループ会社の一員としてのサポートについて、今後本社とも交渉して取り付けていきたいと考えています。

今後ベトナムがさらに成長して、日本にとってより必要で有望な市場となってくれば、ベトナム転職したいという日本人が更に増えて、採用企業が求める人材レベルも引きあがると思います。人材レベルが上がり、優秀な人がより多くなるのであれば、多くの企業がより高度な業務を現地採用の日本人に任せたいと考えます。そうなると企業間での採用活動の獲得競争は激しくなり、つられて待遇面も上がっていくのではないでしょうか。成長期の日本みたいな状況になるんじゃないのかなと想像しています。

現地採用の方の待遇面以外では、他にはどのようなことが起こる可能性が考えられますか?

他には、会社のグループ間での異動とかですかね。これは会社にとってもメリットがありますよね。

会社のグループ間での異動にメリットがあるとは、具体的にはどういうことでしょうか?

単純に刺激が出ますよね。縦割り化も抑止できるかもしれないし、日本本社と海外現地法人間で情報交換が活発になって、顧客への提供価値が上がったり、組織の底上げが起こったり、コミュニケーションが活性化することで仕事が増えるかもしれないし(笑)。本社も本社で優秀な経験者が退職してしまうと、そこを埋める採用するのって、コストも労力も大変です。そこにベトナムで成長した日本人現地採用スタッフが本帰国しますとなって席が空いていれば、お互いラッキーじゃないですか。

結果を出すことで選択肢が広がるということは、働く人にとっても悪くない話と思いますし、会社としても結果を出した人が来てくれるのは嬉しいことですしね。だから、日本側にも理解して欲しいのは、日本人は日本で採用するだけが全てではないと。会社にとって必要な人が採用できる機会は多い方が良いじゃないですか。

日本本社と現地採用に対する意識の差を埋めていくということでしょうか?

意識の差はあると思うんですよね。海外進出慣れしている企業だとないかもしれませんが、ベトナムが初の海外拠点ですってなると、自社グループ内に比較対象がない上、物理的にも離れているし、言語の問題もあってなかなか全容把握できないとなると、そういう発想すら湧いてこないこともあるのではないかと。

こんな時代、今のベトナムにいて、「現地採用の日本人は日本よりも給料低いんでしょ?」という認識しか持てないような人が本社にいたら嫌ですよね(笑)。もしそうした考え・発想が残っていた場合、グループ全社に発信・啓蒙してグローバル企業に変えていくのも現地代表の使命だと思っています。

因みに、Nさんはそういったお話は、現地採用の方に入社された後もお話されたりしているのですか?

タイミングを見つけては、積極的に話していますね。あとは、遠い将来のことでだけでなく、具体的にイメージできるように近い将来のことも聞いたりします。例えば、この決算期末はどのような結果を出したいかや、どういう風になっていたいかなど。 若い人って、まだ柔軟なので考え方が変わる可能性が高いので、言ってあげることでその人が元々持っていた考え方・価値観と化学反応を起こしてくれると思っています。それで、「そう言われたら、そうかもしれない。」っていう選択肢や価値観を持ってもらえればと思います。

ただ、決めるのは自分ですので、しっかりと自分の本質とも向き合っていろんなことにチャレンジして、自分の道を作っていけばいいのかなと思います。そのために会社が手伝えることがあれば惜しみなく協力したいと考えています。

遠い将来と近い将来を混ぜてお話して具体的にイメージさせるということは、本人にとっても目標が具体的になり、具体的な目標があるからこそ日々の業務の中でも目的意識を持って取り組みやすくなりますね。本日は、インタビューをありがとうございました。

 

こちらのリアルな本音は、YouTubeでも公開しております。

 

次回(第5回)はJさん(男性 / 40代前半 / ベトナム歴5年以上 / ホーチミン)は、こちら

<編集後記>
Nさんの会社のように、キャリアパスを共に作ってくれる人を求めている企業様は多くあります。しっかりとしたキャリアパスがないことに不安を感じる方もいるかもしれませんが、言葉を返せば、自分のキャリアを自分で作れるということになります(もちろん、都度、企業側との相談・確認は必要になります)。 企業様の状況によりますが、例えば「ハノイ市にも拠点を出したい、その拠点長として活躍したい。」という思いがあった場合、その思いを実現できる可能性もあるということです。ベトナム転職活動をされるにあたり、自分の将来の可能性の幅をどの広さで考えるのかという視点を持って転職活動されるのも良いのではないでしょうか。

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